助産所ブログ

母乳へのケア

お子さんを妊娠すると出産後のイメージとして浮かびやすい母乳育児をする姿。実際に母乳育児は産んだ直後からスタートします。

母乳育児を成功する為に妊娠中から出来ることをご紹介したいと思います。

まずは、母乳のメリットを知りましょう!!

1,産まれたばかりで未熟な赤ちゃんのお腹にとって、消化しやすい栄養源。

2,赤ちゃんが母乳を飲んでくれる度、出産直後のお母さんの子宮を元に戻そうと収縮してくれる。元に戻そうとしてくれることで子宮からの出血、悪露(オロ)も減ります。

3,赤ちゃんがおっぱいを欲しくなって吸うと、必要な母乳量を作れるように機能が徐々に整う。母乳を続けていくと貴方の赤ちゃん個人にあった母乳量を貴方の赤ちゃんのタイミングであげることができる。

次に、妊娠中から出来る準備について知りましょう!!

母乳育児を継続するにはお母さんの努力だけではなく、赤ちゃんの協力が不可欠です。と言うのも、お母さんはお胸が二つあり、その形は個人差があり、右と左でもチョットずつ違います。そして、そのおっぱいを飲む赤ちゃんの大きさが違います。大きさは体重、お口の大きさ、胃の大きさも個性がありますね。

そのことを踏まえて準備できることは、どんな赤ちゃんでも飲みやすいお胸を目指すことです。では、比較的飲みやすいお胸とはどんなお胸かを紹介します。

1,吸いつきやすいお胸。

『胸の大きさ=母乳の生産量』ではありません。赤ちゃんがくわえる部分は乳頭(乳首)だけではなく、乳輪(乳頭と同じ色の部分)部分までです。くわえる部分が柔らかいと、とても吸いつきやすくなります。

2,赤ちゃんの舌が巻つきやすい乳頭。

母乳を飲むときは乳輪部分までくわえて舌で乳頭を巻いて吸い出します。乳頭に舌が絡まないと抜けてしまってなかなか飲めません。乳頭の長さは1cm前後が一般的に吸いやすいとされていますが、先ほどお話したようにお子さんの舌の長さやお口のサイズは十人十色。乳頭部分が突出できることを目標にします。

3,柔らかいお胸

母乳が作られる量と飲まれる量のバランスが悪いとお胸のふくらみ部分の皮膚がパツパツになります。そうすると赤ちゃんのお口もツルっと滑り抜けてしまうのでなかなか飲めません。柔らかいお胸を維持することも大切です。

1,2は妊娠中からお手入れできます。お胸への刺激は子宮の収縮をもたらすので、お腹が張りやすい方、切迫流早産の既往のある方は控えましょう。開始時期は35週移行ですと37週の正期産まで目前ですので良いタイミングです。

3は出産後の変化のタイミングに合わせて必要な場合ケアを行います。

妊娠中にできるお手入れの方法!!

このお手入れは必ず全員がやらなければいけないものではありません。ご自分のお胸を見て、乳頭が短いなとか、固いな、とか白いカスで詰まっているなという方が行うと効果的です。ご自分のお胸がお手入れの必要性があるか迷う方は助産師さんに相談しましょう!

では、お手入れの方法です。

*親指を上、人差し指と中指を下に向けて乳頭から乳輪にかけて深く圧迫します。硬くなっている場合は痛みを感じる方もいます。デリケートな部位なので優しく圧迫します。圧迫を繰り返すと徐々に柔らかくなるので柔らかくなったら終わりです。

*カスがある場合はコットンに清潔なオリーブオイルを浸します。コットンより大き目サイズのラップと固定用テープを用意します。乳頭にコットンをあて、ラップでカバーしてパックします。10分から15分放置した後、石鹸とお湯で洗い流します。ボディータオルを使うと擦り過ぎてしまうこともあるので優しく洗いましょう。出産間近は母乳の匂いを消さないようにお湯のみで洗うといいですね。

産後の経過とお手入れの方法!!

初めての出産(初産婦)の場合は胎盤が剥がれてから母乳分泌までにタイムラグがあり、産まれたばかりの赤ちゃんに何度も何度も吸ってもらうことが大切です。効果的に吸ってもらうには姿勢が悪くならないように注意です。深くまでしっかり吸いついているかチェックして下さい。赤ちゃんの状態によって、すぐに吸ってもらえない場合はご自分の手で乳頭へ圧迫刺激を行います。

3日目前後には母乳が作られ、赤ちゃんが飲みきれない場合は張りが残り、皮膚全体までパツパツになります。肩のストレッチや乳房を動かして胸全体の循環を促すこと、正しい姿勢で深くまでくわえて吸ってもらうことを続けます。皮膚がパツパツになりすぎて深くくわえられない場合は、授乳前に乳頭をほぐします。この時期に浅く吸われると乳頭に傷が付きやすく、痛みによって吸ってもらえないという悪循環になるので注意です。

よく吸ってもらうと1日中パツパツになっている時期が2−3日で過ぎ、授乳すると少し柔らかく、そのまた2時間後くらいから張り出すようなお胸になります。赤ちゃんの胃のサイズ、口のサイズ、お口の力等も十人十色。時計を気にせず何度も授乳を繰り返しましょう。

この時期にご自分で授乳がうまくいかない場合は助産師に姿勢や飲み方、お胸の循環等をチェックしてもらうと次第にご自分で対処できるようになります。

産後1ヶ月ではまだまだ頻繁に赤ちゃんが欲しがりますので、欲しがるだけあげます。産後3ヶ月を過ぎると徐々に授乳間隔があき、ペースが確立してくるでしょう。

このように、時間をかけてお母さんと赤ちゃんの状況にもっとも適したおっぱいへと進化します。そのスピートは個人差があるので、迷った時にはすぐに助産師に相談しましょう!早い対処は母乳育児成功への鍵です☆



コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>

このトピックスの記事一覧