助産所ブログ
アメリカでの妊娠(2: Screening Test)
妊娠初期には胎児の遺伝子的、先天的な疾患がないかを調べる検査を希望により受ける事が出来ます。35歳以上の高齢妊娠の場合には保険が適応される場合が多いです。
Genetic Screening Testでは主にGenes/DNA(遺伝子)を検査します。
検査の方法は羊水検査や血液検査があり、検査機関によって検査の適応妊娠週数が異なります。よく説明を受け、納得して検査を受けられる事をお勧めします。
羊水検査では羊水中にある胎児の細胞を使って検査が行われるため、より正確な(100%といわれる)結果が得られますが、直接母体の子宮に長い針を使って細胞を採取するため、母体への侵襲があり、また破水など胎児へのリスクも高まります。
血液検査では通常の採血と同じで母体の血液から検査をおこないます。母体の血液が元になるので検査結果は100%とはいかず、確率論となります。(正確性は99%といわれている。)
検査される内容について、私のもらったリープレット(Ranorama社)を参照すると
1:Screens for genetic abnormalities such as Down syndrome.(ダウン症:21トリソミーのような遺伝子疾患)
具体的には-Down syndrome( Trisomy21), -Edwards syndrome(Trisomy18), -Patau syndrome(Trisomy13), -Certain sex chromosome abnormalities: Turner syndrome(monosomy X), Klinefelter syndrome(XXY), Jacobs syndrome(XYY), Triple X syndrome(XXX), -Triploidy
2:Identifies your baby’s gender.(Optional) (希望によりベビーの性別)
3:Has the lowest false positive rate of any prenatal screened test for commonly chromosomal abnormalities. (スクリーニングした一般的な染色体異常検査の偽陽性率が低い)
4:Can be done as early as 9 weeks into your pregnancy. (妊娠9週から受けられる.結果は7-10 business days)
5:Brings no risk to your baby. (ベビーへのリスクがない)
検査を受けるにあたり、パートナーと事前に良く話し合う必要があります。なぜ検査を受けるのか、検査を受けると何がわかるのか、検査の結果妊娠を継続するのかしないのか。などです。そして、妊娠を中断する場合も継続する場合も女性への精神的ケアが必要な事を理解して欲しいと思います。
担当医や検査を受託している施設のスタッフ、検査会社などから情報を集め、理解した上で検査の必要性を判断できると良いですね。
アメリカでの妊娠〜検査編(2)〜
検査編(1)では初期のエコーについて触れましたが、今回は血液検査、尿検査についてまとめてみようと思います。
初期の血液検査は血液型を始め、一般的な健康状態を評価する項目が含まれています。大まかな項目としては、
血液型:Blood type(血液型)、Antibody screen(RH型)
CBC:
WBC(白血球):白血球数の検査、細菌感染の有無などもわかる
Hemoglobin(ヘモグロビン)/ Hematocrit(ヘマトクリット):赤血球の割合がわかる。貧血や多血症の検査
Platelets(血小板):肝機能検査、慢性出血の有無などを評価
感染症
Rubella(ルベラウイルス), VDRL(梅毒),HBsAg(B型肝炎抗体),HIV(HIVウイルス)など
北米でルーチンで検査している項目としてVitamin Dの値があります。北米では緯度や気候の影響で日照時間の短いエリアがあるのでVitaminD値が低くなる事があるそうです。
日本でも注目され始めているVitamin Dですが、不足すると鬱病や骨粗しょう症、自閉症の原因になるとも言われています。初期の血液検査で値が低くなっていた場合はサプリメントの摂取を奨められます。4,000-5,000 IU/dayの摂取になる様推奨されています。
日本人の正常値はアメリカの正常値よりもやや低めです。
夏場日焼け止めなしで直射日光30分あたると700〜800IUのビタミンが体内で生産されると言われています。気持ちよい日光浴でビタミンD不足を解消しましょう!
日の当たらない生活が多い方は意識して動物性ビタミンD(魚肉、卵)植物性ビタミンD(茸類や海藻類)を摂取しましょう。
最後に尿検査です。
尿検査では尿タンパク、尿糖、尿ケトンのチェックを行います。
日本では健診の度に毎回検査する病院も多いですが、アメリカでは初期、中期、後期または初期と後期のみの場合もあります。血圧や血液検査の結果など統合して必要があれば検査するといった感じです。
次回はScreening Testについてまとめてみたいと思います。
アメリカでの妊娠〜検査編(1)〜
妊娠初期には胎児の子宮内妊娠を確認して、週数相当の正常な発育があるかを確認する為にエコー検査を行います。
市販の検査キットで妊娠が判断できるのは最終月経の初日から計算して約4週間後。
生理が遅れているな?というタイミングで検査される方が多いでしょう。検査キットで妊娠が確認できた後は、子宮内に妊娠しているのか、多胎妊娠でないのか、などを確認する為にもかかりつけ医で検査する必要があります。
エコーでは妊娠7週から8週でベビーの心拍が確認できます。
また、ベビーの育つ袋に血液が溜まっていないか、サイズは週数相当かなどをチェックする事によって正常な経過であるかを判断する事が出来ます。
早い方だとツワリの症状が出ていることでしょう。ダルい、眠い、頭痛、吐き気、食欲不振、においに敏感になるなど個人個人の症状がありますが、症状にあったリラックス方法でしのぎましょう。外見から妊娠中とわからない時期ですので、自分で自分の休憩環境を整える事も大事になってきます。
アメリカでは空腹がツワリ症状を増強させるとして、ナッツやドライフルーツを摂取したり、水分補給する事をお勧めされます。日本人はあまり慣れ親しんでいない食材かもしれませんね。酸味のある果物やジンジャエールなどで対処されている方が多い様です。
頭痛には目の上を温かいタオルで覆って休息する方法も効果的。
ダルい、強い眠気のあるときはソファで横になったり、立ち止まって一息つく事が大切。通勤中にも休憩できるようなゆとりを持った生活リズムに変更して対応してみましょう。
辛いことばかりではありません。赤ちゃんがお腹に宿った幸せな感覚を味わう事も出来るでしょう。ツワリも発育に付随しているあかちゃんからのメッセージと受け止め、前向きに過せると良いですね。
次回は妊娠初期の血液検査についてまとめてみたいと思います
アメリカでの妊娠 (1:妊娠〜健診の流れ)
今後はアメリカでの妊娠〜出産〜育児情報についても公開して行きたいと思います!
アメリカで妊娠がわかったら
1)ドラッグストアで妊娠反応検査薬を購入します
2)Family doctorに受診します。
直接family care groupに所属する助産師を紹介される事が多い様です。
アメリカでは各自保険が異なりますので、保険内容と保険適応範囲などを細かく確認していく必要があります。病院にはそれぞれソーシャルケア専門家が居て、保険の適応範囲や出産にかかる費用などを調べれくれたりします。
3)初期検査
・一般血液検査
・初期エコー
4)妊婦健診が約月1ペースであります。
・妊娠10週前後には出産場所を検討し、病院でDrとRNと出産を迎えるか、CPMとBirth centerやHome Birthを選択するのかパートナーと検討し、受診場所を必要であれば変えます。またDoulaケアを選択する場合、自分に合ったDoula探しも始めます。
・12週前後でドップラー心音確認
・20週前後でエコー
・35週前後で血液検査、GBS検査
5)予定日が近づくと週1健診に変わります。